Abstract
目的. 局所麻酔下でのダブルJステント挿入の安全性と実施可能性を確認し、詳細な説明とダブルJステント挿入の見学が男性患者の痛み体験に及ぼす影響を評価する。 材料と方法 同意の得られた男性80名を、DJステント挿入を見学させるA群と、見学させないB群に無作為に前向きに分けた。 DJステント挿入はすべて上級泌尿器科医が泌尿器科手術室にて透視ガイダンスの有無にかかわらず行った。 手術終了時にバイタルサインと手術時間を記録し、術者が手術室を出たらすぐに無印の100mmVAS(visual analogue pain scale)を記入するよう患者に依頼した。 結果 研究グループ全体の平均年齢は38.8歳で、患者の大半は閉塞性尿管結石に対してDJステントを挿入し、何ら問題のない転帰を示した。 術後の収縮期血圧とVASによる平均疼痛は、A群とB群で統計的に有意な差を認めた。 局所麻酔下でのDJステント挿入は安全かつ実現可能な手技である。 DJステント挿入に伴う痛みと不安を軽減するために、DJステント挿入を受けた患者には自己監視と詳細な説明を推奨した
1. はじめに
当院泌尿器科では、全身麻酔(GA)下でのダブルJ(DJ)尿管ステント挿入は日常業務で頻繁に行われるようになった。 さらにこの傾向は、入院患者のベッド数を犠牲にし、スタッフにも依存している。
現代の膀胱鏡下ダブルJ尿管ステント挿入は、1978年に初めて報告され、従来は入院患者に対して全身麻酔で行われていた。
急性期におけるこの処置のための全身麻酔への依存は、スタッフおよびリソースの利用可能性に応じて、ステント設置までの時間を遅らせる可能性がある。 気管内挿管の合併症として、気道外傷、腫脹、声帯麻痺、気管支痙攣、誤嚥、不適切な挿管による死亡が報告されている。
内視鏡分野での進歩にもかかわらず、局所麻酔下でのDJステント挿入の安全性と実行可能性を記述した研究は少なく、痛みの経験も評価していない。
内視鏡検査中に音楽、詳しい説明、手順を見ることで気を引くという概念は新しいものではない。
気管支鏡、大腸内視鏡、コルポスコープ、膀胱鏡などの低侵襲手術の際に痛みや不安を軽減するために使用されている。 Soomroら、Patelら、Clementsらは、手技を見ることを許可された患者群において、疼痛レベルの減少を観察した。 しかし、痛みは主観的な感覚であり、視覚的アナログスケール(VAS)や頻脈、高血圧、流涙、発汗などの自律神経の変化を用いて間接的に測定することができ、これらはすべて痛みや不十分な鎮痛の兆候として確立することができる 。
本研究の目的は、局所麻酔(LA)下でのDJステント挿入の安全性と実行可能性を確認し、男性患者の痛みの経験度におけるDJステント挿入の詳しい説明と観察が、処置前後のVAS(visual analog scale)とバイタルサイン変化(脈拍、収縮期・拡張期血圧)を用いて効果的であるかを評価することである。 使いやすく、書き言葉もほとんど必要ありません .
2 材料と方法
本研究は、倫理委員会の承認を得て、教育病院の泌尿器科で実施された。
2012年1月から7月までの半年間、尿路結石症診療所に通院し、DJ挿入の適応(難治性腎痛や尿管疝痛、発熱や膿尿、中度から重度の水腎症、体外衝撃波砕石術前-ESWL-2cm以上の尿石、尿石による無尿)があった18歳以上の男性全員を本研究対象とする。
除外基準は、過去の膀胱鏡検査歴、尿道狭窄の臨床的証拠、精神疾患、手順やアンケートを理解できない、膀胱出口閉塞、ステント交換、患者が全身麻酔を希望したことである。
すべてのDJ尿管ステントは、手術室の空き状況に応じて4-6週間後の確定治療を待つ間の一時的な測定として挿入した。
同意を得た被験者80名を、DJステント挿入を見学する者と見学しない者にくじ引きで無作為に割り付けた。
患者をA群(手技を見ることができる患者)とB群(手技を見ることができない患者)に分けた。
すべての患者は外来で手技について医療担当者から簡単な説明を受け、日帰り入院した。
A群はビデオモニターを設置し、患者と手術する泌尿器科医の双方に手技を見せることができた。 B群は、術者だけが術式を見ることができるようにモニターを配置し、患者には見せなかった。
手術は泌尿器科手術室で上級泌尿器科医がリソトミー姿勢で、透視ガイダンスありまたはなしで行い、術後に腎臓、尿管、膀胱X線(KUB-X線)でDJステントの位置を確認した。
末梢静脈ラインを固定し、予防的に抗生物質を静脈内投与した。
患者の体位を整え、ポビドンヨード溶液で洗浄し、標準ドレーピング後、2%のリドカインジェルを尿道に注入した。
20 F storz rigid cyststoscope with 30 degrees lensを使用して、すべての被験者にDJステントを標準的に挿入し、術中・術後合併症もなく良好な成績でした。
泌尿器科医が手術室を出た直後、研究の詳細を知らされていない医療担当者がバイタルサインに関するデータを収集し、100mmの無印VASを使って痛みの経験を記録するよう患者に求めた。
痛みを軽度、中度、重度と分類した。 7063>
すべての患者には、処置によって起こりうる感染性の影響について説明し、必要であれば電話でのアドバイスや入院ができるようにした。
結果を要約するために記述統計学を用いた。 痛みのカテゴリーと患者グループのタイプの関係を確認するために、カイ二乗検定を使用した。 独立検定は、2群間の痛みのレベルおよび処置前後のバイタルサインの変化の平均差を調べるために使用された。 最後に、各群の処置前後のバイタルサインの平均差を評価するために、対の検定を使用した。 本研究では、値 < 0.05 の検定が統計的に有意であるとみなした。
3. 結果と分析
表1が示すように、患者の平均年齢は38.8歳であった。 処置の平均時間は数分であった。 尿管結石に対してDJ挿入を行った症例は全体の46例(57.5%)、腎結石は21例(26.25%)、次いで無尿が13例(16.3%)であった。
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0-10のスケールを使用し、VASの平均疼痛(標準偏差)スコアは、.であることが判明した。 カテゴリー別では、14名(17.5%)の患者が手術中に痛みを感じなかった。 一方,27名(33.8%)が軽度の痛み,28名(35%)が中等度の痛み,11名(13.8%)が重度の痛みを経験していた。 痛みのカテゴリーと患者群タイプの間に関係があるかどうかを調べるために、カイ二乗検定を行った。 7063>
これらの結果を確認するために、処置前後のバイタルサインの平均がA群とB群で有意に異なるかどうかを調べるために独立-検定を行った。
表2は検定の結果である。 なお、値> 0.05の検定は、その-検定が統計的に有意でないことを示す。
A群 | B群 | value | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Age.A |
38.13 14.72 | 39.53 14.98 | 0.675 | ||
Duration of procedure, min | 5.34 0.89 | 5.36 0.87 | 0.676 | |
Preprocedure, mean SD: | ||||
Systolic blood pressure, mmHg | 125.Hg | 0.80 18.44 | 132.40 21.524 | 0.145 |
脈拍、bats/min | 82.25 5.969 | 80.0.93 7.072 | 0.369 | |
拡張期血圧、mmHg | 78.08 7.502 | 78.05 7.502 | 78.38 8.369 | 0.866 |
Postprocedure, mean SD: | ||||
Systolic blood pressure, mm Hg | 126.0.63 15.590 | 135.90 20.348 | 0.025 * | |
脈拍、拍/分 | 83.38 5.077 | 81.90 6.543 | 0.263 | |
拡張期血圧、mmHg | 79.50 6.872 | 80.28 7.786 | 0.638 | |
平均疼痛スコア(VAS) | 1.40 1.932 | 6.43 1.752 | 0.9402> | 0.000 * |
痛み(カテゴリー別)。 | 痛みなし | |||
痛みなし | 14 | |||
軽い痛み | 22 | 5 | ||
3 | 25 | |||
激しい痛み | 1 | |||
表2より、平均年齢と処置時間は2群であまり差がないことがわかった。 また、処置前の脈拍数、収縮期・拡張期血圧も両群で同程度であることが確認された。
しかし、処置後の収縮期血圧とVASによる痛みの平均値は、統計的に有意な差があった(値 < 0.05)。 これらの結果から、手技を見ることができた患者は、見なかった患者に比べ、より少ない痛みを経験していることが確認された。 B群(処置を見ることができなかった)の患者が経験した平均疼痛スコアは、A群(処置を見た)の平均疼痛スコアよりほぼ4倍高い。
A群の14人の患者は全く痛みを経験しなかったが、B群では誰も経験しなかった。
B群の患者の大半は中程度の痛みを経験したが、A群の患者の大半は軽度の痛みしか経験しなかった。
B群では10人が激しい痛みを経験し、A群では1人しか経験しなかった。
表2から、手技を見なかったB群の患者の大半は、重度と中等度の痛みのカテゴリーであったことがわかる。 一方、手技を見たA群の患者の大半は、痛みが軽度か全くないかのカテゴリーに属していた。
表3、表4は、A群、B群それぞれの処置前後のバイタルサイン変化の平均値を比較した分析結果である。
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*値 < 0.05 は統計的に有意とみなす。 |
表3
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*数値< 0.05 を統計的に有意と見なします。 |
概して、両グループについて、処置前のバイタルサインの平均より処置後の方が高いことがわかる。 B群については、収縮期血圧と拡張期血圧の平均値が処置後に上昇している。 ペア検定の結果、収縮期血圧と拡張期血圧の平均値が有意に上昇することが確認されたが、脈拍数は有意に上昇しなかった。 しかし、A群では拡張期血圧の平均値のみが処置後に有意に高くなった。 考察
限られた入院患者のベッドと補助的資源、手術室、費用と時間の節約に対する要求は増加しており、外来処置を使用してこれらの要求を軽減する機会は常に興味深いものである。
DJステントは一般的に、手術室で柔軟膀胱鏡または硬性膀胱鏡のいずれかを使用して、透視ガイダンスを使用するかしないかで挿入されます。
膀胱鏡検査時の痛みは、使用する潤滑油の種類、量、時間、温度、視野、手順の詳細な説明によって影響を受ける可能性がある .
しかし、これらの研究のどれも膀胱鏡検査中の痛みや不安を変えることに成功していない。
さらに、Cornelらは彼らの研究で、膀胱鏡検査の履歴は処置中の痛みの経験に影響しにくいことを示した。
過去に発表された研究では、膀胱鏡検査を見ることは痛みに影響しないことが示された。 一方、他の研究では、痛みがVASで測定されたように、手技を見ることは患者の痛みの経験に影響を与えることが示された。
すべての既報の研究では、診断、フォローアップ膀胱鏡検査、軽度の治療処置(DJ除去)時の痛みをテストし、LA下でDJステント挿入の実行可能性を別々のテーマとして評価しました。
視覚的アナログスケール(VAS)は、反応性と受容性に優れた有効なツールであり、医学文献で広く使用されています。
臨床的にVASは痛み、吐き気、疲労、睡眠の質の測定に使用することができ、経験している痛みの重症度とVASの痛みのスコアとの間に臨床的な有意差はありません。
一方、A群の患者は中等度から重度の痛みを感じており、小林らの知見によると、全体的に不安が少ないため、このグループの痛みを減らすためのさらなる改善は不可能と思われる。
さらに、処置後の収縮期血圧に群間で統計的に有意な差があったが、Soomroらはバイタルサインのわずかな変化は処置関連の不快感以外の要因に関係しているかもしれないと報告しており、これらの血圧の変化は臨床的には重要でないかもしれない。 結論<6009><4595>局所麻酔下でのDJステント挿入は安全で実行可能である。 DJステント挿入に伴う痛みと不安を軽減するために、DJステント挿入を受けた患者には自己監視と詳細な説明を推奨した.
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