Introduction: 研修医時代の手術経験は、独立開業や一般外科研修後の追加専門医研修の基礎となるものである。 本研究の目的は、一般外科研修医の手術経験を調査し、その経験をよりよく反映するために、ACGME(Accreditation Council for Graduate Medical Education)の症例記録システムにおける研修医の記録保存の改善を目的とした介入の結果を詳述することであった。
Methods: 研修医に対し、手術記録の監査を通じて明らかになった手術経験の記録のばらつきの特徴を説明するよう依頼した。 監査結果に基づき、研修医が適時に記録を残すよう促すための介入が考案された。 この介入には、教育および調査監査結果の討議、手術経験の詳細を示すグラフの毎週提示、ACGMEログにおける見逃し症例の可能性、罹患率および死亡率(M&M)ログにおける第一助手の欄の追加が含まれた。
結果 症例ログの監査では、調査した636症例のうち24.2%に不一致が確認された。 ACGMEの症例記録ではチーフレジデントが有意に正確(95.9%)に手術経験を記録していたが,ジュニアレジデントの症例記録では50.3%に不一致が見られた. 研修医は、「記録を忘れた」(9.6%)、「スタッフが行った」(5.2%)、「他の研修医がより多くの症例を行った」(3.6%)、「その他」(3.6%)、「より進んだ研修医がその症例を担当した」(1.6%)、「症例を担当しなかった」(0.6%)、「相談のために離れた」(0.3%)という矛盾した特徴を有していた。 4週間の介入期間中、研修医は72.7%から94.0%の症例を記録していた。 介入期間終了後1ヶ月間、介入期間と比較して記録された症例が13.3%増加したことが確認された。 M&Mのログに「第一助手」の欄を設けた後の第一助手の症例記録のレビューでは、ACGMEのシステムに記録された第一助手の症例が1年前の同時期と比較して70.5%増加していることが示された。
結論を述べる。 今回の結果から、毎週症例を表示することで、特に若手研修医がACGME症例記録システムで研修医の記録を残すことが改善されたことがわかった。 M&Mリストの第一助手欄の追加、学会でレビューする定期的な監査、半期ごとの評価により、若手研修医が研修中の経験をより正確に報告できるようになると考えられる。