1959年秋に1960年モデルとして登場した初代フォード・ファルコンは、4年半後にマスタングが登場するまで史上最も売れた新車の一つであるなど多くの名声を得ている。 ファルコンは確かに最初の近代的なアメリカの「コンパクトカー」ではなかったが、フォードにとって最初のアメリカのコンパクトカーだった。
フォードは新しい「コンパクト」カーが「普通の」サイズの車よりもはるかに安く作られなければならないことを知っていたので、新しいユニット構造のボディとわずか144立方インチのショートストローク直列6気筒を設計して車の重量を最小限に抑えたのである。 このエンジンは、健康な男性なら実際に持ち上げられるほど軽量でありながら、当時のフォルクスワーゲンの2倍以上となる90馬力を発生させた。 しかし、ストロークが極端に短いため、使用可能なトルクはほとんど出なかった。
性能上の問題にもかかわらず、ファルコンが大衆に愛されたのは、インテリアがフルサイズの「普通の」フォードのファミリーカーと同じくらい広く設計されていたことが一因である。
フォードは1961年にファルコンを改良し、ややロングストロークで101馬力の170立方インチの6気筒を追加した（144インチは85馬力）。 144インチエンジンは85馬力と正直に評価された。 1962年のファルコンには、同じくユニットボディのフェアレーンも加わった。 フェアレーンに搭載された221ccと260ccの軽量V型8気筒は、後のファルコンやマスタングのスモールブロックV型8気筒の骨格となるものであった。 1962年のファルコンは、シボレーのライバルが1台から2台に増え、コルヴェアにシボレーIIと高級車のシボレーIIノヴァが加わったことで、競争相手とならざるを得なくなった。 1963年、ファルコンはいくつかのマイナーチェンジを行った。