冷蔵庫のしくみ

台所にある冷蔵庫も、前節で説明したのと同じようなサイクルで動いています。 しかし、あなたの家の冷蔵庫では、このサイクルは連続的です。

  1. コンプレッサーがアンモニアガスを圧縮します。 圧縮されたガスは加圧されると熱くなります(オレンジ色)。
  2. 冷蔵庫の背面にあるコイルは、高温のアンモニアガスの熱を逃がします。 アンモニアガスは高圧になると凝縮してアンモニア液(紺色)になります。
  3. 高圧になったアンモニア液は膨張弁を通過して流れます。 膨張弁は小さな穴だと思ってください。 穴の片側には高圧のアンモニア液があります。
  4. 液体アンモニアはすぐに沸騰して気化し(水色)、温度は-27Fまで下がり、冷蔵庫内は冷たくなる。
  5. 冷えたアンモニアガスはコンプレッサーで吸い上げられ、このサイクルを繰り返す。

ところで、夏の暑い日にエアコンを作動させていた車のエンジンを切ったことがある人は、ボンネットからヒューという音を聞いたことがあるかもしれませんね。 あの音は、高圧の液体冷媒が膨張弁を流れる音です。

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純粋なアンモニアガスは人体に毒性が強く、冷蔵庫が漏れると脅威なので、すべての家庭用冷蔵庫は純粋なアンモニアを使ってはいません。 1930年代にデュポン社がアンモニアに代わる無害な冷媒として開発したCFC(クロロフルオロカーボン)をご存じでしょうか。 CFC-12(ジクロロジフルオロメタン)は、沸点がアンモニアとほぼ同じです。 しかし、CFC-12は人体に毒性がないので、キッチンで使っても安全です。 業務用の大型冷蔵庫には、今でもアンモニアを使用しているものが多くあります。

1970年代に、当時使われていたフロンがオゾン層に有害であることがわかり、1990年代以降、新しい冷蔵庫やエアコンはすべてオゾン層への悪影響が少ない冷媒を使用しています。

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