一般皮膚科クリニックに通院する女性外来患者における脱毛の認識とうつ病の症状

Background: 抜け毛は女性に多い愁訴であり、心理的な障害と関連する可能性がある。

目的 本研究では、皮膚科患者を対象に、抜け毛の訴えの有病率、およびこれらの訴えとうつ病の症状との関連について調査した。

方法 毛髪関連疾患のない20歳以上の女性外来患者を対象に横断的研究を行った。 患者には脱毛について質問し,うつ病の症状に関して評価した。 また,年齢,皮膚科診断,併存疾患,投薬,脱毛症の家族歴,髪の長さ,毛髪牽引試験での抜毛数,薄毛や脂漏性皮膚炎の有無などの変数も分析対象とした。 データは、二変量解析と多重ロジスティック回帰により、脱毛のある女性グループとない女性グループの間で比較された。

結果 インタビューした157名の女性のうち、54%が脱毛を報告し、29%がうつ病の主要な症状を2つ以上報告した。 女性の年齢の中央値(IQD)は51(20)歳であった。 脱毛の訴えは,他の共変数を調整した後でも,うつ病の症状の有無と関連していた(p=0.02;OR=2.79;95%CI:1.18-6.61)。 また、年齢(p=0.03)、脱毛症の家族歴(p<0.01)、髪の長さ(p=0.01)、ヘアプルテストで採取した髪の数(p=0.02)、薄毛(p<0.01)、脂漏性皮膚炎(p<0.01)、人間関係に関する問題(p=0.04)などに関して、脱毛症患者と非患者間で統計的に有意差がみられた。

ディスカッション 毛髪に関連する疾患はこの集団に共通するテーマである。 この訴えとうつ病の症状との間に認められた有意な関連は,評価対象となった女性の脱毛に対する認識と心理的な幸福感との関係を示している。

結論 脱毛の訴えは一般的であり,公立皮膚科クリニックの成人女性外来患者におけるうつ病の症状の有病率の高さと関連することが示された。

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