ライム病治療後症候群

ライム病は、細菌ボレリア・バーグドルフェリに感染することにより発症します。 ライム病の多くは、2~4週間の抗生物質の内服で治りますが、時に治療終了後、痛みや倦怠感、思考困難などの症状が6ヶ月以上続くことがあります。 この症状は治療後ライム病症候群(PTLDS)と呼ばれています。

なぜ一部の患者がPTLDSを経験するのかは分かっていません。 専門家の中には、ボレリア・バーグドルフェリが「自己免疫」反応を引き起こし、感染そのものが治まった後も症状が続くと考える人もいます。 自己免疫反応は、カンピロバクター(ギラン・バレー症候群)、クラミジア(ライター症候群)、溶連菌(リウマチ性心疾患)など、他の感染症の後にも起こることが知られています。 他の専門家は、PTLDSは持続的だが発見が困難な感染症に起因すると仮定しています。 最後に、PTLDS の症状は、患者のボレリア・ブルグドルフェリ感染とは無関係の他の原因によるものだと考える人もいます。

残念ながら、PTLDS の実証済みの治療法はありません。 短期間の抗生物質治療は初期のライム病に対する治療法として確立していますが、米国国立衛生研究所(NIH)の研究(external icon)では、長期間の抗生物質治療を追加で受けた患者の長期成績は、プラセボを受けた患者よりも優れていないことが分かっています。 ライム病に対する長期の抗生物質治療は、以下のリンクにあるように、深刻な、時には致命的な合併症と関連しています。

PTLDS患者は通常、時間とともに良くなりますが、完全に良くなるまでには何ヶ月もかかることがあります。 ライム病の治療を受けてもまだ体調がすぐれない場合は、医療機関を受診して、症状を管理するための追加の選択肢を検討してください。 ライム病感染に伴う継続的な症状に対して長期の抗生物質治療を検討している場合は、そのような治療で起こりうるリスクについて医療機関に相談してください。

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